丹後ちりめん −59−

岩滝町機業の推移(6)


以上で丹後の機業界における与謝郡の規模的特色と、その中に含まれている岩滝町の機業を主として経営規模の面から見てきた。すなわち、岩滝町の機業は与謝、中、竹野三郡における与謝郡機業の特色を最もよく現わしているということができる。
更に三郡の機業に見られる今一つの顕著な特徴は、与謝郡が生産品の多様性、竹野郡が単一性、中郡はここでも中間型の生産形態であることだ。
さきに各種の表をあげて見てきたように、岩滝町の機業は小規模の経営が多い。(但し4台以下の機業場は岩滝が一番少ない)この小規模経営が、生産品の多様性と、高級織物生産の技術的性格として岩滝町機業の特色となっている。岩滝町の生産額は丹後機業生産額の約10%を占めているが、製品は一般に高級小物(風呂敷、半衿)着尺(三丈物=着物一枚分)等種類が多く製織される。
岩滝町は、人絹の生産では丹後の大部分を占め、近年は更に化学繊維にも進出して、常に時代の要求に応じ高級品とともに尖端的で、大衆的実用衣料の生産を行ない市場を確保している。

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