岩滝の産業 108
ー 金  融 ー
岩滝町における金融機関(6)


ホ.男山金融組合
岩滝区には銀行があり、郵便局もあり、弓木区には信用組合が設立されていたが、純農家の集まりである男山は盛衰甚だしき機業家に不安を感じ、信用組合への加入も久しく躊躇されていた。然し男山にも簡易な金融機関は必要であったから、よりより意見交換をしていた高岡松吉、三田鉄吉、高岡栄多郎等が明治42年に愈々男山金融組合創立に踏み切ったのである。
もとより営利が目的でなく、相互の利便、相互の利益、共存同栄の主旨によって創設したのであったから組合員も56名で150株(1株10円)だったが公共団体や家族も含むので殆んど区全体といってよかった。
年1回の株主総会で、無記名投票により、理事3名、監事2名を選挙し、理事互選で理事長(組合長)を定めた。理事長は区長に準ずる報酬を受けたが、他は無報酬とした。
初代理事長に高岡松吉が選ばれ、爾後つぎの者が次々と理事長に就任した。
三田鉄吉、高岡栄多郎、三田徳之助、高岡重吉、三田岩吉、三田万吉、糸井太郎吉、三田文蔵。組合員も組合の主旨をよく理解し、遺憾なく利用され、株の配当も平均2割を続けた。
しかし、太平洋戦争による金融措置令に順応するのやむなきに至り、昭和17年最後の理事長三田文蔵から岩滝信用組合専務理事糸井林太郎に一切が引継がれ、茲に40年間の業績を惜しまれながら終わりを告げたのであった。


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