岩滝の産業 66
ー 林 業 ー
岩滝町の林業(5)


字男山の区有林野は目測187.3町歩であるが、大正15年9月から部落内の148戸に均等分配されている。そのため全21条からなる「男山区有林分配規約」がつくられている。その中から主なものをあげると

第1条 男山の住民で1戸を構える者は、男女を問わず区有林の均一配分を受ける権利を有する。
第2条 他より移住した者は満3ケ年、区費を負担し、評議員会の定める加入金を支払って右の権利を取得する。
第3条 男山区に本籍を持つ者で、移住地より帰った者には整理費を徴した上で山林の均一分配を行う。
第5条 この規約による山林の所有権は法律上の所有権とは別個のものである。
第6条 青年会、在郷軍人会、婦人会等の教化団体の支部は特に分配を受ける。
第8条 以上の如き権利に対して公課金の分担についての分担の義務(略)
第9条 所有山林に通ずる道路の関係者はそれを修理する義務がある。
第10条 相続譲渡以外の売買譲渡、質入、書入等の禁止
第11条 入会権等特殊の条件を付せられた地域の分配は委員会に一任する。

第11.14条 第10条を守らない者、又は区有の義務を尽さない者は区会の決議により、分配山林を区が没収する。
すなわち区有林は入会権等特殊の条件の場合を残して区民に分配され、各人が所有権に類似した権利を与えられているが、その完全な私有化を防ぎ、部落全体の所有として残しておくために部落の規程をつくり、売買その他の処分権を禁止している。(立命館大学「人文科学研究所紀要」)
現在この制度は廃止されている。永年農家の薪炭材の供給源として活用された分山制度も農家の経営形態の変化に伴い採算が合わなくなり、薪炭生産を止めて他の有利な副収入を選ぶ者が次第に多くなった。男山区では広大な山林面積の活用を計るため、この放棄されている林野に植林を計画、昭和30年頃には配分した林野の全面積を一応回収した。この植林計画も経費面で現在一部実施したに止まっている。

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