岩滝の産業 82
ー 商 業 ー
商業統計からみた岩滝町商業者−4−


かつて城下町の宮津を凌ぎ繁栄をほこった岩滝が後述の「岩滝機業資本の発展」にみられるごとく強大な商業資本も拮抗すべく術もなく急速に瓦解、再び競争に立ち上る力と機会を失ったとしているが、たしかに明治維新後の岩滝の商業資本は文字どおり急激に衰退したのである。しかしながら明治の岩滝商人はそのなかにあって岩滝の商工業の進歩を計る一策として、岩滝商工協会を創立するなど商魂のたくましさは、いささかも衰えをみせていないのである。
明治26年4月8日の「日出新聞」は次のように岩滝商工協会発会式の模様を伝えている。
岩滝商工協会発会式
丹後岩滝港の有志者は去る三日午后二時より同村弘道館において岩滝商工協会の発会式を挙げ、来会者百余名にて会員の祝詞、演説等あり、役員の選挙を行ひしに、会頭に安田太蔵、幹事に前沢盛昌、橋本圭次郎、評議員に糸井幸兵衛、蒲田善兵衛、小室房蔵、後藤源造、柴山徳次郎等の諸氏当選し、それより宴にうつり酒杯献酬の間に歓話をなし、尚余興として幻灯談話会あり、散開せしは午後十一時頃なりし、同会は同地有志者の組織にして専ら商工業上の発達進歩を計り将来の利益を増進するを以って目的とし会員は毎月一回参集して商工上の利害得失に関する討議をなる筈にて来る十日総会を開くという。

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