魅力
ポリちりは、着物だけでなく洋服、
小物にも使いやすいのが特徴です。
このページでは、そんなポリちりの開発の歴史や、
織物の魅力、素材の特性についてご紹介します。
開発
丹後ちりめんは長い歴史の中で開発が進み、現在ではシルクのちりめんだけでなく、ポリエステル糸を使った丹後ちりめん「ポリちり」も広く流通するようになりました。
ポリちりとは、厳選された上質なポリエステル糸に丹後独自の撚糸機を用いて、横糸に強い撚りを掛け製織される織物です。昭和45年頃より開発が始まり、丹後の洋装産地化が進むとともに、ポリちりの洋服への活用もスタートしました。
ポリちりは、横糸の効果で、しなやかで光沢があり、ハリとコシ、美しいドレープといった特徴を有する織物です。他にはまねのできない風合いを持つことから、丹後の歴史が脈々と息づき、見事に完成されたジャパンオリジナル素材として、ファッション業界にも認められています。
職人
職人の手により作られる豊かな織物
織技術は革新を続け、また染色前の風合い加工においても、丹後織物工業組合岩滝加工場で完成された独自の「減量加工」を用いるよう進化してきました。その結果、他産地のものとは異なる、ソフトなドレープ性を持つシルキーな風合いを実現。合理化が進む現在でも、精練職人の手により一点一点丁寧に吟味し、丹後のポリちりは作られているのです。
このように、丹後の技術を後世に伝承し、しかし伝統にとらわれず、商品の開発に研鑚と工夫が重ねられている丹後ちりめんポリちりは、一度でも使用するとその良さが伝わります。
素材
「丹後ちりめんポリちり」の素材であるポリエステルについて
ポリエステルは、1941年にイギリスで発明された合成繊維です。日本では1957年に東レや帝人が生産したのが始まりです。現在では合成繊維の中で一番多く生産されるようになりました。
ポリちりに使われるポリエステルは、PET樹脂を溶かしてノズルから噴出させて作ります。絹のような光沢感、風合いを求めた長繊維、綿・ウールのようなハリ、コシと、風合いのポリエステル綿(ワタ)から作られた短繊維など、汎用性が高い糸です。そのため、洋服やインテリア、雑貨、産業資材など幅広く活用されています。
長所
強度に優れ、耐熱性が高いです。ハリやコシがあり、シワになりにくく安定しています。乾きやすい、製造コストが低いのも特徴です。
短所
吸湿性が低いので、暑い時期は蒸れやすく、乾燥すると静電気が発生しやすいです。発色がやや悪く、風合いも天然繊維に比較すると単調。編み物は毛玉になりやすいです。
ただし、ポリマー改質、製糸技術、織り編み後の加工技術や天然繊維との巧みな混用により、これらの欠点の多くは解決されている。